女子格闘家紹介 ー秒殺女王ー 藤井恵 ストーリー
10人の女子格闘家（＋女性のリングドクター1名）について書いた本です。 2010年10月29日発行であり、記載されたデータは2010年8月31日現在ものです。 と記載されているように、やや古いデータですが、女性が格闘技をやる 心情がつづられていてとても興味深い書籍です。
今回は、そこから、既に引退してしまっていますが、 かつてのレジェンド、秒殺女王 藤井恵選手を抜粋させてもらいます。
目次 ｢殴るのがこわい｣ ｢なんで追いつけないのか、わからない｣ ｢打撃ありのリングへの恐怖心｣ ｢野生的な戦い｣を求めて ｢早く止めて｣ ゾーン 相手の動きがスローに見える プロフィールなど
｢殴るのがこわい｣
｢殴るのが怖いっていう感覚はいまだに消えないですね。手の感触が、ずっと残るんで。怖いって言ってちゃ、いけないんだとは思うんですけど、抵抗はありますね｣ ｢殴れないですよ、やっぱり。｣ ｢相手が練習をつんできているから、ようやく殴れるという感じなんです｣ ｢自分が逆に殴られていたら、怖くて、止めてほしいと思うし｣ ・・・・・ ｢なんで、やってるんですかね。総合格闘技｣
秒殺女王と異名をとり、インタビュー当時無敗の藤井恵選手の言葉とは思えない言葉が並びます！
｢なんで追いつけないのか、わからない｣
柔道でオリンピックを目指した。 92年べにばな国体ではベスト8 全日本選手権でも3年連続ベスト8 しかし、TOPエリート選手と自分の違いを感じてしまう。
｢なんで追いつけないのか、わからないんです。練習もサボったことないし、でも、どうしても勝てなかった｣ ｢たぶん、どうしても勝ちたいっていう強い執念みたいなものが、自分にはかけているんだろうなと思ったんです｣
もともと、余計なことを考えすぎてしまうタイプ 試合で、自分が勝てば負けた相手は監督から殴られる。 それを見るのが辛かった。
（蛇足） 負けた選手を殴る監督なんてサイテーですね。 勝てる選手を育成できない監督自信の無能さを選手を殴って隠している 本当にサイテーです。 1974年生まれの藤井恵選手が学生時代って指導者もそんな時代だったのでしょう。 今でも、どこかのアメフト部なんかもっとサイテーな監督でしたし。。。。
｢打撃ありのリングへの恐怖心｣
大学を卒業と同時に柔道も卒業 やはり、それほど格闘技に執着は無かったのかと思いきや、 組み技格闘技のサンボをはじめます。
なんと、52kg級で98年から全日本大会8連覇 世界選手権でも銀メダル 2000年のハルランピエフ記念国際大会では金メダル！
平行して、柔術とレスリング 柔術でも全日本優勝 ・・・・・ どなたが、｢どうしても勝ちたいって執念が足りない｣のでしょうか？ （サンボや柔術では殴る監督がいなかったのかな？）
時は女子総合格闘技大会が定期開催されるように盛り上がっていた時分 ”サンボの女王”藤井恵選手へ総合格闘技に出て欲しいという声が高まる。
しかし、当の本人は、 ｢打撃なしなら。。。｣ ｢怖い｣ という理由で断り続けた。
しかし、ついに2004年打撃ありの総合格闘技ルールのプロ大会 スマックガールへ出場 出場理由は、 ｢自分のというより、指導者として、選手の気持ちを知らなければいけない｣ と思ったから。
プロでの初試合は、40秒でチョーク・スリーパーを極めての勝利 ここからサンボの女王は秒殺女王へとなっていきます。
なぜ、秒殺女王となったのか？
｢試合が怖くて、余裕が無いから｣ ｢自分がケガするのも怖いし、相手がケガするのも怖い｣ ｢一対一の果し合いの怖さがあります｣
だけど、その恐怖によって、集中力が研ぎ澄まされた。 迷っているヒマもないので、集中力が一気に上がったのが自分でもわかった。
早く試合を終わらせたいから、一瞬でも相手の隙を見逃さずに技を仕掛ける。 ｢ふだんぼーっとしてるから、一気に知らない自分が飛び足してきた｣
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｢野生的な戦い｣を求めて
2010年ごろには、女子ランキングで パウンド フォー パウンド（体重差がないと仮定した場合に誰が一番つよいかの仮想ランキング）で藤井恵選手が1位にランキングされた。 つまり、女子最強！
しかし、藤井恵選手本人は、 ｢どうしてそんなふうに評価してくれるのか、よくわからない｣と言う これだけの実績を残しているのに、 ｢私は1番になったことがない、劣等感もあるし。。。｣
ケガもあって、思うように動けないこともある 本当は、一足飛びに、１から４に突然移動するような動きがしたい だけど、ケガもあり、１，２，３，４と順番に体を動かさないと自分が痛む
試合するのも限界かな～、無理かな～と思いながらやめるのはイヤだった。 もう1回だけでもチャレンジしてみよう 野生的な戦いをしてみよう
やりたくないと思う気持ちを抱えていては勝てない相手と戦いたい そして、海外の舞台へ進出する。
｢早く止めて｣
海外の試合 対戦相手は通常2階級上で戦っている、サラ・シュナイダー 常に間接技で一本勝利を収めてきた藤井恵選手がはじめて打撃でKO勝利した試合。
できれば、関節技で1本とりたかった。 だけど、相手は階級が上で体も大きく力が強くて間接技を極めれなかった。 仕方なく、打撃をみまう。
サラ選手は額を切り、鼻が割れて流血 その返り血を浴びながらの打撃
｢レフェリー、早く試合をとめて｣
｢殴っている手の感触だけでなく、相手の表情が見えてしまったので、相手の気持ちとか考えてしまう｣ ｢私がマウントの状態で殴られたら、痛いし怖いし、悔しいし、惨めだし｣ ｢そんな感情を相手にいだかせている自分が怖くなる｣ ｢殴りながら、相手の感情が伝わってきて、自分を殴っているような感覚に陥るんです｣
すごい共感力ですね。
ゾーン 相手の動きがスローに見える
これほど自分自身を追い込み、練習で鍛え上げ、極限の集中力が高まった時 いくどかの試合で 相手の動きがスローモーションで見える世界を体験した。
自分が知らなかった動きを自分でしている。 相手の髪の毛の一本一本まで見える。
恐怖をかんじながらも、続けてきたことで、神様はちゃんと気づかせてくれた。 やってきたことの意味を教えてもらったように思えて、感謝しています。
（蛇足） 管理人もボクシングの試合で1度だけ、そんな世界を体験しました。 管理人の体験は、自分が世界に広がる感じ。 周りからの声援や支持、ボディが効いてるなどの声がやけにはっきり聞こえる 相手の表の表情と裏の感情までもわかるような幹事でした。 あともう1回、フルマラソン時にランナーズハイになって、飛ぶような感覚で走れました。 ・・・10数分で足が痛くなってしまいましたが・・・・
｢目標は無の境地、不動心｣ ｢平常心で、戦いの中でいちばんいいものを選択して、動きにつなげたい｣
試合を幾度重ねても、恐怖心はある。 だからこそ、 怖いからそこ、藤井恵選手は戦い続けた。
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プロフィールなど
アメーバブログより抜粋
３歳で柔道を初め、23歳でサンボに出会う。 その後 サンボ、グラップリング、レスリング、ブラジリアン柔術という組み技系格闘技を体得し、現在は総合格闘技を主戦場とし国内外問わず活躍の場を広げる。 女子の総合格闘家の中で、27戦目の敗戦まで長い間パウンドフォーパウンド（全ての選手が同じ階級だった場合）と、52kg級で 世界ランキング一位に認められていた。 2013年10月5日引退 戦歴29戦26勝3敗 (26勝のうち19の1本勝ち 1つのTKO勝ち)
52kg級 べにばな国体出場。 全日本学生選手権５２キロ級ベスト８。
＜サンボ＞ 52ｋｇ級 98-05 全日本優勝。8連覇 98.99.02.03世界大会 銀メダル。 '00 ハルランピエフ記念国際大会 金メダル。
＜柔術・黒帯＞ Black Belt・プルーマ級 -50.9kg 02.03全日本優勝。 03. 女子初プロ柔術トーナメント優勝。 04.全アメリカ大会優勝（プルーマ・紫帯）。 06.全アメリカ大会優勝（プルーマ・茶黒帯）。
＜グラップリング＞ ・05年5月 女子初の寝技世界一決定トーナメント「ADCC・アブダビコンバット」銅メダルを獲得。 ・06.07年 ’スマックガールグラップリング賞金トーナメント’-52kg級優勝。
・05年5月 ’ADCC’世界大会-60kg級 銅メダル ・07年5月 ’ADCC’世界大会-55kg級 銅メダル ・09年2月 ’ADCC’アジア大会-55kg級 優勝
＜総合格闘技＞ ・-52kg級（修斗/クラスA・ジュエルス・ベラトール） ・戦歴 27戦25勝 2012年6月現在
2004年8月デビュー
☆総合格闘技・戦歴☆ ・04年 8月○ （1R40秒チョークスリーパー）松本裕美（日本/ピュアブレッド京都）smack girl/後楽園ホール ・04年11月 6日○ （3R判定3-0）エリカ・モントーヤ（アメリカ/ネクストジェネレーション）修斗/アメリカ ・04年12月14日○ （１R1分39秒腕ひしぎ十字固め）ナディアバンデル・ウェル（オランダ/タツジンドージョー）修斗/代々木第二体育館 ・05年 3月12日○ （２R判定3-0）アンナ・ミッシェル・ダンテス（ブラジル/ノヴァウニオン）G修斗/zepp東京 ・05年12月17日○ （１R19秒チョークスリーパー）チョン・ダーレン（韓国）G修斗/新宿FACE ・06年 2月17日○ （２R4分36秒三角十字固め）瀧本美咲（日本/禅道会）修斗/代々木第二体育館 ・06年 6月30日○ （1R53秒 腕ひしぎ十字固め）たま☆ちゃん（日本/巴組）smack girl ・06年11月29日
生年月日：1974年04月26日 血液型：O型 出身地：岡山県
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